2017.07.26
よく働き、働いた分以上によく遊ぶ。そんなスタイルを貫く一人の男が宮崎にいる。その名は宮原 秀雄。まっすぐな眼差しに、時折見せるアグレッシヴな一面。内に秘めたるブレない思いが、出会う人の心を揺さぶり自身の描く理想を次々と具現化して行く。そんなパワフルな男の存在を聞きつけ、宮崎県・青島に会いに行った。
17年間勤めた広告代理店を卒業したいと考えていたこと、父親が亡くなったこと、そして子供が生まれたというきっかけが重なって移住を決意しました。あと3.11の大地震も影響しています。当時、千葉県の一宮というところに家を借りて、毎週末にサーフィンしに行っていたんです。それがあの地震が起きてからそうもいかなくなって。
海がとにかく大好きで、海のそばに居られることが僕にとって一番贅沢なこと。サーフィンができてご飯が美味しくて人が良いというポイントで、福岡の糸島と宮崎の青島という2つの候補地があったんです。会社を辞めて嫁さんと実際に足を運んで、どちらもとても良い場所だったんだけど、「波」が通年良かったことと「人」の温かみが青島を選んだ決定打ですね。
海との付き合い方を提案するコミュニティを作りたかった。ファミリーもカップルも、おじいちゃんもおばあちゃんも、ゆったりまったり過ごすことのできるビーチサイドにある公園。ボーダレスにみんなが集まって、本を読んだりお酒を飲んだり、語り合ったりボッーとしたり、いろんなことをしてリラックスできる。こだわりのベンダー(出店)やポップアップショップがあって、居心地が良いのと同時にハイクオリティな空間にしたかったんです。
幸い僕は前職の仕事を通して本当にたくさんの方々と出会えたので、ファーストコンタクトで自分と相性が合うかどうかがわかるんです。それが働いたのか、市役所で「この人たちとなら通じ合える」という方々と偶然にも出会うことができて。彼らと出会わなかったら今こうしてできていないと思う。杓子定規でない、いい意味での不良公務員と出会えて本当にラッキーでした。ミーティングをして「持ち帰ります」と言っているような人と仕事をするのは僕には無理だから。「この場で判断してやろうぜ」って感じで(笑)。
青島ビーチパークも一ツ葉にオープンしたビーチバーガーハウスもそうだけど、「所詮地方レベルでしょ?」と思って行ってみたら「ものすごいじゃん!」と期待を裏切る仕上がりにするのが大事だし楽しいんです。こんな見場だし前職の時も軽く見られたりアウトローな存在だったと思うんだけど、与えられた規定課題は必ずキチッとやる。その上で、自分だからこそできる自由課題をやっていたい。自分の中で「いいギャップ」を求めながら仕事をしていきたいと思っています。
やっぱりサーフィンをしている時ですね。東京にいるときは自然と圧があって生活をしていたから「解き放たれる」「デトックス」「毒を抜く」という表現が合っていたけど、今こうして宮崎でサーフィンをすることは日常の一部。僕にとってのThis is Livingはスペシャルなものでなくて、歯を磨いたりシャワーを浴びたりするのと一緒。そして、もちろん家族も。嫁さんと子供といる時間がとても大切です。
いろんなものを取っ払って考えたら、家族と一緒に船旅をしてみたいな。2ヶ月で世界一周して、サーフポイントや港に降りて歩いたり。いろいろな港町とその周りのビーチカルチャーを体験することができたら楽しそうですね。
photo:Gaku, kimiyuki kumamoto
text:Yoko Onishi
AOSHIMA BEACH PARK 統括ディレクター
(株)CANVASの代表であり青島ビーチパークの統括ディレクター。広告代理店の博報堂でアカウントプロデュース職として17年間籍を置いた後、独立起業。家族を連れて2015年に東京から宮崎に移住。AOSHIMA
BEACH PARKと同じく宮崎市の一ツ葉にあるTHE BEACH BURGER HOUSE をも手掛ける。
http://aoshimabeachpark.com
http://thebeachburgerhouse.com
http://canvas-mag.net/
www.instagram.com/hidemiyan/
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